僕は中学一年生の時、将来なりたいものというのがありませんでした。道徳などの授業で将来の夢を書く時は、とりあえず、小学生の頃の夢だった、「サッカー選手」と書きました。本当の事を書いているわけではないので、気持ちは少しも進みませんでした。

 そんな感じで、将来の夢もなく、いつの間にか中学三年生になっていました。僕の中では、中学三年生というのは、「受験生」と言われる事が多く、嫌だなと思いました。そして、段々受験が近づくにつれて、僕は受験がどのようなものか分かっていきました。その中でも、僕が少し苦手そうだなと思ったものがありました。

 「面接」です。僕は初対面の人と話すのがあまりできない人だったので、嫌だなと感じました。その面接について調べると、様々な質問をされることが分かりました。その中に、「憧れている人はいますか?」という質問がありました。その事について考えると、僕には、中学校にいる間、ずっと教えてくれた数学の先生がいるということに気づきました。そして、このことがきっかけで、僕は、「数学の先生」という将来の夢ができました。その目標にたどりつくためにまず、高校について、考えることにしました。

 どの高校が先生に一番近づくことができるのか、調べました。そこで見つけたのが、僕が合格することができた高校です。この高校は大学の附属高校で、大学は愛知県の中でも先生になることができる可能性のある大学でした。しかし、「合格できた」と簡単には言っても、それまでの道のりは厳しく、辛いものでした。勉強をすることも大変でしたが、その高校では面接もあり、何度も練習を重ねました。
 僕はまず、推薦の試験を受けましたが、結果はだめでした。その時のショックは大きく、精神的に辛いものでした。しかし、あまり落ち込んでいる暇もなく、一週間後には一般入試が控えていて、すぐ立ち直らなければいけませんでした。僕はとにかく努力しました。

 面接練習では、憧れている先生が面接官で、とても緊張しました。そして試験当日、緊張しながらも、筆記、面接を終え、家に帰りました。
 一週間後、合否を見に行くと、自分の番号がありました。僕はその時、夢に一歩近づくことができたと感じながらも、中学一、二年生の時、将来の夢は、すぐ近くにあったと思いました。

 今、夢がない人は多いと思います。しかし、たった一つ、小さなきっかけで、将来の夢が見つかるかもしれません。そしてそれが、高校選びに繋がることもあります。
 受験校を単純な理由で決めるのもいいと僕は思います。