中学校三年生の十月、私は受験まであと百日を切ったところでやっと志望校を決めました。今まで受けようとしていた愛知県の公立をやめ、県外の私立高校という選択を取ることにしたのです。何故、ここまでギリギリの時期に進路を変えたのか、そのいきさつを書き記していこうと思います。

 私は中一の終わりから中三の夏までの間、漠然と進路について考え、「特にやりたいこともないから、親に勧められた自分よりも少し偏差値の高い公立に行こう」とだけ考えていました。今考え直すと、当時の私はただ「考えたつもり」になっていただけで、とても進路を自分事に考えられているとは言えない状況だったと思います。そんな私が自分と向き合うきっかけになったのは、一本の動画でした。とある創作系の仕事をする方に一日密着する、というだけのシンプルで短い動画でしたが、自分でも不思議な程に惹きつけられ、その仕事につきたいと思うまで、さして時間はかかりませんでした。そうして自分がしたいことを見つけた私は、しっかりと自分の進路を考え直しました。どんな大人になりたいか、どんな未来にしたいのかをできる限り高い解像度で考えました。

 次に今の自分を見つめ直しました。曖昧な分析にならないように、何が好きか、何が得意か、何に興味があるか、どんな性格かなどの具体的な質問を自らに問い、ノートに答えを書くということを繰り返しました(ノートを見返したところ、百問弱ありました)。そして最後に今の自分と未来のなりたい自分を比べて、今の自分に足りないものをいくつか挙げ、その不足部分を埋められるような学校を条件にもう一度探し始めました。その結果、自分が掲げていた条件をより多く含む学校は、自分でも驚くことに、県外にありました。

 そんな、道路からそれた獣道のような進路を選んだ私ですが、全員が同じ選択ができる訳ではないことは理解しています。どんなに強く、その学校を志したとしても、家との距離や学費、内申点の足切り等の理由で諦めざるを得ない場合もあります。それでも、可能な範囲で自分にとっての最善の選択を探すことはできます。高校生活に何を求めるかは人それぞれですが、もし求めるものが浮かばなければ、本来の自分に投資するという選択をしてみるのも良いと思います。理想の自分像と今の自分の乖離してしまっている部分を、減らせる環境を探してみてください。自問自答を重ねて高校を選ぶことは、自分に合う環境だけではなく、長く続くモチベーションを手にいれることにも、面接や作文で使える糧を増やすことにもつながります。一石三鳥の進路決めを検討してみませんか?今まで経験したことのないような忙しさと、様々な経験を得るであろう激動の一年間を、過ごしていく皆さんを応援しています。

 (あまりに遅い進路の決断、進路の大きな変更は学校、塾、両親といった多くの大人をふり回します。慌てる必要は無いと思いますが、気持ち早めの決断をおすすめします。)