長い人生の糧になる
この春から次男が愛知工業大学名電中学校に進学します。
中学受験をするきっかけや家庭の状況・環境は一人一人違って、それぞれのストーリーがあるかと思います。これから受験をされる方に、「こんな受験生もいるんだ」と、少しでも参考になればと思い、寄稿いたします。
次男は低学年から競技テニスに励み、週五日の練習と週末は岐阜・愛知・大阪・東京・神奈川の試合を転戦する生活をしていました。高学年になると、「強豪がそろう愛知県のランキングに挑戦したいから硬式テニス部のある私立中学を受験する」と言うようになりました。二歳上の兄も名古屋の私立男子校に通っていますが、私達夫婦は元々は中学受験をさせようとは考えていませんでした。夫婦共に国公立出身で、私(母)が東京の私立中高一貫校で教員をしていた経験があるため、公立・私立の正負の面を知っていたからです。十三~十八歳という多感な時期に、どのような環境で成長していくかは、その先の人生を左右する大きな選択です。それまでは公立中に通いながらテニス留学をさせようかと考えていましたが、中学受験の経験もこれからの長い人生の糧になると思い、本人の意思を尊重し、受験することにしました。
小六の夏期講習から入会し、十一月まではテニスと受験勉強を両立していました。周りの受験生と比べると大変遅いスタートで、短い受験生活でしたが、テニスから離れ、塾の友達と切磋琢磨しながら志望校を目指した時間は、次男にとってかけがえのないものとなりました。夏に入会した当初はJAクラスの一番後ろの席でしたが、先生方の熱心なご指導により、最後はJSクラスに上がることができました。第一志望の名古屋中の入試では、国理社は六割取れ、合格まであと10点でした。問題を解き直してみると、算数の計算ミスが多く、本人も相当悔しがっていました。
中学受験を通じて、がむしゃらな努力で目標に近づいていける喜びと、本番で力を出せなければ努力は報われないという挫折を経験し、慎重・謙虚であることの大切さを学びました。これは、親や周りの大人が口で教え諭すことはできないものです。十二歳という年齢で、こうした経験ができたことは、中学受験で得た大きな成果でした。この先、テニスや大学受験、社会人として身を立てる時に、きっと息子の強みとなり大きな支えになると思います。
新岐阜校の先生方には、長男の受験時から大変お世話になりました。勉強に縁のなかった次男が、学ぶことに夢中になり、学力面でも精神面でも大きく成長できたのは、先生方が常に最大限の熱量で励まし、指導して下さったお蔭です。
また、一緒に受験を乗り越えて来た新岐阜校の友達にも大変恵まれました。受験後、テニスで各地を転戦する生活に戻りましたが、「友達と名進研の春期講座(英語)に通いたかった」と残念がっています。
末筆ではございますが、心から御礼を申し上げると共に、先生方、これから受験される皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。











