受験を決めた理由は、二つあります。それは、学校の授業が楽しくないことと習い事のサッカーに限界を感じていたことです。そしてある日、母親に、
「サッカーはこれ以上、伸びる自信がないから六年生から塾に行きたい。」
と、お願いしました。

五年生の冬休みに入る前に名進研にテストを受けに行きましたが、経験したことのない難しさに僕のプライドは、ズタズタでした。母親に「行きたい」と言ってしまったが、「本当にできるだろうか」「やっていけるだろうか」と不安の気持ちでいっぱいでした。二月から通い始めましたが、経験がないから、とにかく難しくて、授業についていくことだけで精一杯でした。そして、分からないことを聞けない毎日が過ぎていきました。

ある日、算数の先生から、「答えをそのまま書き写しています。」という電話が母のところに来ました。母は、この時、チャンスだと思ったようで、僕のことを心配して、僕にとって良い方法を先生と考えたようでした。それは、授業の後、自習室に残って今日の内容を理解しているか、最後にテストをするという方法でした。

学校では、分からないことをすぐ先生に聞いて覚えるタイプでしたが、プライドの高さが僕を邪魔するのか、できない自分が恥ずかしくて塾の友達の前では、質問ができませんでした。自習室に残ることにより、先生との距離感も近くなり、「頑張ろう」という気持ちになりました。最初は、偏差値30だった僕が偏差値50以上まで伸びた理由は、ここにあったと思います。そして、夏過ぎに「絶対に愛工大名電に行くんだ」と決めました。

「あなたは、四月には名電の制服着て学校に通ってるから大丈夫よ。あなたは、大好きな算数と理科と物作りが学べるから安心しなさい。これから、もっとママと国語をやるよ。」

と母に背中を押してもらえたことで、勇気づけられました。そして、塾が休みの日は、母と一緒に過去問をやりました。二人で同じ問題にトライするのです。わからないことは一緒に考えたり、悩んだりもしました。たまに母がクイズ形式でおもしろく教えてくれるなど、と親子の絆にもなり、楽しい時間でもありました。

中学受験は、名進研の先生を信じて、どんな小さな悩みでも先生に相談すること。そして、あきらめないことです。問題に立ち向かった自分を誉め、できた喜びを家族と共有し、自分の財産にしていってください。「君にはできる」、愛工大名電で待っています。楽しい未来のためにあきらめないでくださいね。