息子の「成功体験」記
早いもので、受験が終わり一ヶ月が過ぎました。息子はありがたいことに第一志望校にご縁をいただき、入学をとても楽しみにしているようです。そんな息子ですが、これまでの子育ては波瀾万丈でした……。皆様の参考になるかは分かりませんが、少しでもお役に立てばと思い書かせていただきます。
息子は小さい頃からマイペースで、気持ちの切り替えが苦手な子でした。徒歩五分の保育園から帰るのに三十分以上かかる毎日……。私も息子を叱ってばかりで気持ちが焦り、いろいろと調べる中で学んだのが「成功体験」の大切さでした。息子が一年生の頃だったと思います。「できないことを叱らず、できたときに褒めて子どもの自己肯定感を高める」という方向を目指し、必死で褒める子育てに舵を切り(と言いつつよく爆発していましたが……笑)、いつか息子が「自分はやればできる」と思えることを願って育ててきました。
当初、息子は公立へ進学させるつもりでしたが、マイペースな息子はどう見ても内申が稼げるタイプではなく……公立中学で内申点に苦労するくらいなら私立でのびのび過ごさせてあげたいと受験を決め、四年生から名進研に通い始めました。
夫婦で決めていたポイントは【1】スモールステップで短期目標を立て、成功体験を積ませること。【2】息切れさせず受験当日にピークを持っていけるようにすること、の二つです。
【1】スモールステップの短期目標としては、以下の二つを立てました。
① 五年生前期までに一つ上のクラス認定をもらうこと。
② 最後まで、そのクラスに残ること。
定期的なテストは弱点のあぶり出しと捉えて、結果が悪いときでも「これで弱点がはっきりしてよかったね。次回のためにきちんと克服しよう」と声をかけました。具体的な目標のお蔭か、毎回崖っぷちながら目標を達成し(その度に大げさに褒めちぎりました。笑)、予定より早く上位クラスに入ることができました。このとき、通っていた校舎の先生から「やればできると分かったこと、彼の人生にとって本当にいい経験になりましたね」と言っていただけたことが忘れられません。名進研の先生は、勉強だけでなく、子どもの人生を豊かにしたい、と思ってくださっているのかとジーンとしました。
【2】受験当日にピークを持っていくため、またマイペースな息子が息切れして勉強自体を嫌いにならないように、五年生までは負荷を軽めにしました。塾の宿題+実力テスト前の復習程度しか勉強せず、週に何日も公園で遊んでいましたが、年齢に合わせて負荷を増やす方法が息子にはちょうど良かったようです。四年生で少しずつ学習習慣をつけ、五年生で大量の学習内容になんとか食らいつき、六年生の夏期講習は皆勤で「楽しかった」と言っていました。六年生の秋からは公園も封印し、塾の宿題以外にも過去問や弱点分野の復習など、本当によく頑張ったと思います。
塾のクラスの雰囲気が良かったことにもいつも助けられました。帰り道ではよく「今日、○○君がね」と楽しそうに話していました。少人数制の名進研のお蔭だと思います。同じクラスのみんな、本当にありがとう‼
中学受験を通して少しずつ「やればできた」を積み重ね、息子は見違えるほど落ち着いて成長しました。入試前、もはや私は「結果がどうでも、本当に名進研で中学受験に挑戦してよかった」という気持ちでした(夫は「いやいや、せっかくだから受かってほしい」と言っていましたが……笑)。
結果、第一志望校から合格をいただき、息子にとっては特大の成功体験になりました。
四年生のはじめ、大きなリュックサックを背負って前屈みに走る小さな後ろ姿を「リュックから足が生えてるみたいだね」と笑っていましたが、いつのまにか私より背が高くなり、最後の通塾姿はリュックサックが小さく見えました。これから先も「あのときのように、やればできる」と自分を信じて人生を進んでほしいと思っています。
息子の小学校の大先輩でもあり、いつも愛情を込めて厳しく指導してくださったアメリカ出身で二十五才のJ先生(笑)、いつも冷静で切れ味鋭い算数授業のA先生(息子が絶大な信頼を寄せていました)、入試直前にマンツーマンで過去問に付き合ってくださったS先生、膨大な量の素晴らしいプリントを作ってくださった三角形先生、先生方が息子の「やればできる」を叶えてくださいました。本当にありがとうございます。












