最後の受験日に、自信満々の顔で校舎から出てきた次男、無事合格をいただき、次男がずっと目標としてきた滝中学校に進むことを決めました。四人兄妹の二番目というポジションで、主張が強めな兄と妹に挟まれ、自分の気持ちをあまり語らない次男に、何か自信をつけさせたくて始めた受験勉強でした。
名進研には、長男の頃から間接的にお世話になっておりました。六年生の六月から受験勉強を始めた長男が塾に行かないで、家でやっていたのが私の友達にもらった名進研のテキストでした。名進研テキストでの独学と他塾に二ヶ月通い、滝中学校の合格をいただくことができました。
兄のように六年生になってからの中学受験は大変でしたので、次男は四年生から準備を始めました。次男は決して出来のいい子ではなく、四年生の頃の偏差値は50前後でした。野球を辞めたくなかったのか「勉強はするけど受験はしない」と言っていました。五年生になる前に、受験への意志を再度確認したところ、「受験する」と言いました。お兄ちゃんへの憧れがあったのかと思います。
五年生になって宿題が増え、平日に宿題をやる時間が足りなくなったため、ずっと続けていた空手、珠算を辞めることにしました。五年生の偏差値は55前後で、JS2クラスの常連でした。
もう一つ上のクラスに行けないのは、野球の練習が土日祝の朝から晩まであり、休日に全く勉強できていないことが理由だと分かっていましたが、なかなか辞める決心がつかず、五年生の十二月まで続けました。野球では夏の大会で勝ち進み、県大会に出場することができましたが、このままではどちらも中途半端になるような気がして、勉強か野球かどちらかを選ぶ時期が来たのではないかと、息子に選択を委ねました。野球を辞めてからは土日に勉強する時間が取れるようになり、テストゼミも始めたことによって、成績が上がり始めました。
六年生になるとプレ中学入試に範囲がなくなるので、「目先のテストの点には結び付かないけど、範囲がなくなってからはきっとこの復習が役に立つから」と、六年生になる前の冬休みや春休みに五年生のテキストを解き直す時間を取りました。この復習のおかげで、六年生になると偏差値が一気に63、途中少し谷はありましたが、最後は65まで上げることができました。
次男は野球も勉強も黙ってコツコツと努力を積み重ねるタイプで、宿題はその日のうちに終わらせる、名進研の授業がない日に算数の宿題をもう一度解き直す、テストゼミ前には理社の暗記をやる、間違えた問題をルーズリーフに書いておきプレ中学入試前に見直すといった基本的なことを日々淡々と繰り返していました。
しかし、夏明けのプレ中学入試では、偏差値60を切ってしまい、「このまま下降しては困る、野球をやめて勉強を選んだからには絶対に合格で終わらせてあげないといけない」と強く思い、先生に相談しに行きました。次男のテストの結果から正答率が高い問題を落としていること、時間があると算数の発展問題をやっていることが分かり、その帰り道、「受験は総合得点だから、このまま好きな勉強しかやらなかったら、合格はきっとできないよ。どうする?」と次男に聞きました。次男は「暗記もちゃんとやる」と言いました。
それから、苦手だった理科を克服するため、名進研の授業がない日や冬休みを利用して、受験②③を全て解き直しました。テキストを全てコピーして、一章ごとに自習室に持って行かせ、丸つけは私がやることで進度や苦手分野の把握をし、プリントの束が減っていくことで息子のモチベーションを保ちました。ここでもう一度解き直したことで、次男は「理科が好きになった」と言っていました。
一月に学校を休み始めてからは、社会の夏のテキストに再度取り組み、東海中学校入試の前までに全て解き直しました。理社を最後にもう一度やったことで曖昧だった部分の知識も定着したように思います。名進研での指導や先生の言葉を信用し、テキストを解き直すこと以外に家で特別なことは何もしませんでした。長男のときよりも受験生が増え、難化傾向だったかと思いますが、名進研でやっていただいたことで十分だったと思います。
私たち親は、テストの結果だけを見て、子供を叱ることはしないと心掛けてきました。どのテストも息子が全力で取り組んだことには間違いなく、思った点が取れず悔しくて泣いていたのは息子の方でした。息子には「テストの結果は今できないところを教えてくれているだけで、最終的な結果とは関係がない、今回できなかったところを、次はできるようにすることの方が大切だ」とずっと話してきました。
次男とはよく、長男の模試の結果を見て二人で笑いました。長男が六年生の九月に受けた模試の偏差値は38でした。その五ヶ月後、長男は滝中学校に合格しました。「途中の結果は関係ない」と長男の合格で確信しています。子供の可能性は無限大で、本人が努力を惜しまなければ、どこまでも伸びていける。最後までお子さんの可能性を信じてあげてください。
そして、受験が終わった今、一つだけ後悔していることがあります。東海中学校に合格をもらうまで、親が東海中学校のことをあまり真剣に考えておらず、東海中学校と滝中学校のどちらが息子にとってよいのか、最終的な判断をすることができませんでした。どちらに行くのか、入学金の納付期限ギリギリまで息子を巻き込んで迷わせてしまい、最後は息子が「滝中に行きたい」と言ったので、その気持ちを尊重しました。思えば、息子はずっと「両方に合格して滝中に行く」のだと言っていました。お兄ちゃんが県大会に行った滝中野球部で、次男も野球がしたかったのだと思います。
最後まで大切なことはあまり語ってはくれない次男でしたが、二人で出掛けた模試や名進研の帰り道は、息子が唯一いろいろなことを話してくれる貴重な時間でした。そして、東海中学校の合格は、思った以上に息子の自信になったようです。次男に中学受験をさせてよかったと思います。
最後に名進研の先生方、夜遅くまでのご指導、私や息子への的確なアドバイス、早朝からの入試会場での応援、ありがとうございました。また、算数の先生のおかげで、息子は算数が好きになりました。東海中学校の算数、最後の問題が解けたことが息子の自慢だそうです。
本当にお世話になりました。