兄は名進研で俊秀、東海中学校にすんなり入学したので、妹の受験がこんなに大変だとは思いませんでした。
 元々勉強が大嫌いだったのですが、二年生の冬期講習からお世話になり、初めて偏差値の出る実力テストで偏差値19‼これではいけないと思い、最初の頃は勉強ノートを一緒に作ったり、百ます計算をさせたりしていましたが成績は一向に上がりませんでした。最初は娘に怒鳴ってばかりでしたが、娘可愛さにだんだんその成績にも慣れてきてしまい、ただただやめさせずに続けてもらうことだけを目標にしてきました。また動機づけのために三年生から学校説明会や体験授業に参加させたり、私立中学フェアでは制服を着せたりもしてきました。

 でも娘の口から出てくるのは『どうして他の子は遊んでるのに受験しなくちゃいけないの?』でした。その度に低学年の頃はアリとキリギリスの話をして、高学年では今頃頑張ると高校受験をするよりどんなに楽かを説明しました。流石に最後の学年では今までの努力が無駄になると思ったのか、あきらめた様子でした。しかし成績は一向に上がらず、低空飛行を続け、何度も面談をお願いして軌道修正をしてきました。そんな中でも偉かったのは全くテレビを見なかったことだと思います。

 あんなにできなかった算数・国語の成績が上向いてきたのがなんと六年生の十月から。最初に習う単元は全く覚えられずひどい成績だったのが、名進研の2ウェーブ方式で繰り返し学習することによって、以前は先生から算数と国語ができないと言われていたのが、最後になって『最近お子さんできますね』と言われるようになりました。

そして年が明けて最初の入試の鶯谷中学校は万全を期して前泊して臨んだにもかかわらず、不合格。娘はかなり落ち込みました。なんとか励ましてチャレンジ校の金城学院中学校と合格圏内のはずの聖霊中学校を受けさせようと思った入試の六日前に、まさかのインフルエンザ‼なんとか前日までに体調は整ったものの、インフルエンザの後遺症のせいか国語の問題を解く順番をミスして不合格。金城学院中学校の面接は完璧だっただけに悔やまれ、聖霊中学校は大きく入試制度が変わってVAP受験生を優先的に合格させたためか不合格でした。正直言って自信を持ってもらうために受けさせた聖霊中学校が返って仇になってしまいましたが、冷静に事態を分析して、子どもに説明しました。

 所属校の先生全員が事態を重く見て、娘にお声掛け頂いたり、最終の入試の一週間前に効率的な実力アップの指導をして頂いたり、お約束の四年間で使用したプリントとテキストを、試験前日にタワー積みして子どもに見せて、自信を付けさせたりした結果、見事椙山女学園中学校の合格を獲得することができました。合格の連絡を娘自身から電話で聞いたときは親子共々泣きました。

 ここで皆さんにお伝えしたいのは、根気よく続けることで直前でも成績が伸びること。逆境の中でも子どもを支えて上げればヤケにならずにうまくいくこと。最後の一週間でも実力アップができること。一番下のクラスでも遠慮することなく先生にどんどん相談すること。いつもこの体験記を書くことを夢見て子どもを信じること。以上の総合的な効果で必ず合格させられることができると思います。

 四年間本当にお世話になりありがとうございました。