母さん、今までありがとう
東海中学校入試の朝、受験生が保護者と別れ試験会場に入る直前、息子が私に言ってくれた言葉です。
息子を勇気づける言葉をあれこれ思案していた私へ、思いがけない息子からの感謝の言葉でした。私は感極まり何も言えなくなってしまい、黙って息子の背中に手を添え、送り出すことしか出来ませんでした。受験生で溢れる群衆の中を一人で試験会場に向かう息子の後ろ姿を、見えなくなるまで目で追うだけでした。
もうこの時点で私の心境は「合格」、「不合格」はどちらでも良くなっていました。息子にとって一番大事な東海中学入試直前に、私に感謝の言葉を言ってくれた、もうそれだけで充分でした。
息子が名進研に入会したのは、四年生の春でした。
所属校ではJSクラスからのスタート。息子にとって名進研の授業は刺激的で、楽しくて仕方がない様子でした。
五年生になると更に知的好奇心が旺盛になり、算数のトップレベル講座EXを受講。帰りの車中、その日に習ったことを嬉しそうに私に説明してくれることが習慣になりました(文系出身の私には説明を聞いてもチンプンカンプンでしたが)。
六年生になりテストゼミのクラスはTN1からのスタート。そして後期は憧れであった俊秀。ここまでは比較的順調な受験生活でした。
しかし、その後はテストゼミで黒星を取ること数回。何とか最後まで俊秀をキープ出来ましたが私はヒヤヒヤ、ドキドキの連続でした。
そして追い込みの十二月中旬、息子が胃腸炎を患ってしまい三日間ダウン。体重も四キロ減ってしまいました。更に悪いことが続き、正月には私の祖母が他界。
中学入試は予定外のことが色々起こると聞いていましたが、全くその通りでした。
そして迎えた入試本番。
模試とは違う雰囲気の中で、一校、また一校と、試験に臨みました。
この事は同時に、名進研の先生方とのお別れの時が近づいていることでもありました。息子もその事に気づいたようで、淋しげな表情を見せるようになりました。
そして本命の東海中学校入試当日、今までで一番良い健康状態、精神状態で受験することが出来ました。
入試終了後、息子が会場から出て来るのを待つ間、この三年間の出来事が走馬灯のように頭の中に蘇ってきました。
幼さが残る三年生の一月に受けた入会テスト。名進研と習い事の両立に苦しんだ六年生前期。模試の結果が良くて家族全員で大喜びしたこと、反対に悪くて悔し泣きした事等を思い出していた時、息子が会場の階段から降りてきました。その時の息子の表情はスッキリとした清々しいものでした。そして朝別れた時よりもしっかりした足取りで私のところに戻ってきました。息子が自分の能力を全て出し切れた事が伝わってきました。その瞬間、私はまた涙が溢れ出し止まらなくなってしまいました。
結果は函館ラ・サール中学校(一次)、愛知工業大学名電中学校(奨学生)、名古屋中学校、東海中学校、滝中学校。お蔭様で受験校全てに合格することが出来ました。
中学受験に挑戦することにより、こんなに濃密な時間を親子で過ごすことが出来た事が私の宝物になりました。
最後になってしまいましたが、のんびり屋の息子に根気強く指導してくださった名進研の先生方、本当にありがとうございました。
入試当日、寒い中、早朝から会場で応援していただき本当に心強かったです。先生方が息子の為に、必死に応援してくださった姿を私は一生忘れることが出来ないでしょう。
名進研の正確で豊富な情報、先生方の適切なサポート、ご指導が無ければ志望校合格はありませんでした。心より御礼申し上げます。












