初めて名進研の門をくぐったのは今から六年前のことでした。

三歳上の姉の受験が終わり、ほっと胸をなでおろしたのも束の間、その翌週から息子の名進研生活がスタートしたのです。

息子には夢があります。まだ言葉も片言の時でした。破れてしまった自分のズボンに、「いちゃいいちゃい」と言ってオモチャの包帯を巻いていました。その数年後、テレビ番組で悲しいシーンを目にした息子は「僕は新薬を作って一度に沢山の人を助けたい」と私に話してくれました。息子の頭の中には新薬を開発する医者という将来の夢が描かれたのです。医学部進学を考えるなら東海中学。私達の目標はこの時に決まりました。

東海中学の記念祭は勿論のこと、サタプロにも何度も参加させていただき、東海中学の魅力を私達の言葉だけではなく、息子の目で見て感じることを大切にしました。と言っても、これらは東海中学を希望されるご家庭のほとんどが行っていることだと思います。では、特別なことをしていた訳では無く、参考になるか分かりませんが、わが家が息子と共に行った勉強法を恐縮ではありますが一部紹介させていただきます。

まず、これも当たり前ではありますが、四年生の時から毎月の仕上げテストは大切に。五年生の一年間行われるテストゼミも然りです。

テストゼミに於いては月に二度程あるので、毎回大切にするのは非常に大変なことです。しかし、この時粘り強く、毎回しっかり復習したことが六年生になった時、集中して授業を受けることに繋がったと思います。

そして読書好きな主人の影響もあってか、息子はよく本を読んでいました。主人が面白そうな本を見つけては息子に購入し、図書館にも大変お世話になりました。漫画日本史は何度読んだか分かりません。

社会に於いては、息子と「一問一答」クイズ番組のように、私が問題を出し息子が答える。という形を繰り返し、この方法は入試直前まで続けました。一人で黙々とテキストを読んでばかりでは気が滅入ってしまうので、気分転換に良い方法だったようです。

この時、誤字を無くすために難しい漢字に於いては紙に書き覚えました。それでも間違える漢字は「漢字書き間違い一覧表」を手書きで作り、例えば「菅原道真」の「菅」の字を間違えたのならば「菅」の字だけを赤で書き、「原道真」は黒で書く。間違えた字が一目で分かるようにしました。テスト前に見返すことにより誤字を減らすことに繋がりました。

算数では初見で解けた時には○を、解けなかったら×を赤で付けます。それ以降は黒で○×を付け、そして息子がどの単元が弱いかを再確認しました。

六年生になってからは東海中のGWや夏期特訓、日曜ゼミのプリント、そして東海の十五年分の過去問もこの方法で徹底的にやりました。十五年分の過去問は十月頃から始め、何度も解き直した努力があってか、入試直前には九割は解けるようになっていました。これは受験生にとって大きな自信に繋がると思います。入試本番で見たことがない解けない問題が出題されたとしても、ここまで頑張ってきたのだから大丈夫‼あなたが解けないと思った問題は他の人たちもきっと解けない‼息子にはいつもそう伝えていました。

そして勉強以外では六年生の九月から学校の野球部に入部しました。何故この時期に?と思われると思いますが、息子の好きな時間を確保するためです。ずっと続けてきた習い事は五年の三月いっぱいで辞めたので、勉強以外の好きな時間を少しでも確保したかったからです。有難いことに仲良くしてくれている友達が野球部に入っていたのでいろいろと教えてもらい、週一で時間も短いので大丈夫と主人と判断し入部しました。この選択が吉と出て息子にとって週に一度の楽しみな時間ができたのです。この時に協力してくれた友達やお母さん友達にはとても感謝しています。息抜きに主人とキャッチボールをしたりカラオケに行ったり。このような時間も大切にしてきました。

こうして振り返ると、やはり特別なことはしておらず、名進研で学んだことの復習を大切にしてきたなと思います。分らないことは家に持ち帰らず先生に必ず質問する、解けない問題は解き直す、本当に大切なことです。

そして何より大切なことは、不安な時や困った時には必ず先生に相談させていただくことです。先生方は何といっても「プロ」です。今まで沢山の受験生を見届け沢山のデータや経験をお持ちです。それは勉強以外のことも同様です。六年生の後期に入ると入試がどんどん現実味を帯びてきます。その上、志望校プレもあり親も子もプレッシャーが半端ないです。毎回すべて希望通りの結果を得られるわけではありません。模試の結果を見ては一喜一憂、模試を受けるのが憂鬱な時もあります。私はいつもこのような時には先生方に相談をしていました。その都度先生方は適切な言葉を掛けてくださり対策をしてくださいました。本当に感謝しております。

改めて考えてみると、このように沢山の大人の方々に、応援され支えられ、合格を喜んでいただけるという経験はそう簡単にはできません。振り返って考えてみても、やはりこれは中学受験というものを本気で取り組んできたからだと思います。

そして東海中学に合格したと電話でお伝えした時、電話の後ろで「わぁー‼」と一緒に喜んで下さったことは、私の記憶に一生残るでしょう。

我が家にとって子供たちの名進研生活六年間は貴重な経験となりました。しかし中学受験は人生のほんの一部と言います。その「ほんの一部」が子供たちにとって有意義なものになると私たちは信じております‼

名進研でお世話になった先生方、本当に有難うございました‼