親ができること
「自分は中学で硬式テニスにどっぷり漬かりたいから、中学受験したい」と言い出したのが四年生の時。公立中学進学しか考えていなかった私たち親にとっても、初めての中学受験という体験でした。「自分の人生は自分で決める」が合言葉の家庭なので、息子の意思は尊重しましたが、親としてどんなサポートができるのか、ずっと考えながら過ごした三年間でした。
親の関わり方は家庭の事情やお子さんのタイプで千差万別だと思います。我が家はフルタイムの共働きな上に勉強につきあう忍耐力に欠けていて、勉強は完全に名進研にお任せでした。では、親はどんなサポートすることができるのでしょうか?
人の一生は選択の連続です。名進研のテスト直しをするかしないか、答えを写すだけかもう一度解きなおすか、わかったふりをして早く終わらせて遊ぶかわかるまで解説を読むか、わかった気で済ますか答えを見なくてもできるレベルまでやるか。一瞬一瞬の選択の積み重ねで人生が変わってくるのですが、大人だってわかっていながら楽な方に流れることもあります。子どもの隣に座って監視する(笑)時間も忍耐もないので、どうしたら本人が自ら、将来の成果を導く選択をできる人になれるのか、どうしたらその成長をサポートできるのかを試行錯誤しておりました。
そんなとき名進研の先生方の子どもたちへの接し方は本当に勉強になりました。自分の意見や感想を言うより先に、まずはとことん子どもの気持ちを引き出し、共感する。そして、結果をほめるのではなく、取り組んだプロセスをほめる。そして先生方が自分のことのように喜ぶ。自分の子どもだと、どうしても距離感が近く、「どうしてこうしないんだろう?こうすべきだ」という思いばかりをぶつけがちですが、先生方の声掛けをみて、こうありたいと何度もハッとさせられました。
我が家の場合、親が子どもに関心を持ちつつも口出しはなるべくせず、親は親の仕事に熱中することで適切な距離感が保たれ、子どもから自ら何をすべきかを話してくれるようになりました。試験直後に「試験どうだった?うまくいったの?」と聞きたい気持ちをぐっと抑え、ただ「お疲れ様」とにっこり。そうすると無口な息子も自分のタイミングで試験がどうだったかを話し出してくれました。その時「どうしてできたんだろうね?何をやったのがよかったのかな?」「難しかったんだねー。今度はどうすると解けるだろうね?」など子ども自身に考えてもらうようにしました。答えがあるときもあれば、わかんない。と答えがでないときもあります。でも答えは必ず子ども自身がもっていると信じていました。
受験直前に、名進研の先生からは親ができることは「お子さんの健康管理です。」と言われました。しかしながら、母親である私が入試直前にインフルエンザにかかり、一週間も家の中に一番危険人物がいる状態で、ごはんも作れず、受験にも同行できないという失態をしてしまいました。しかしながら「自分のことは自分でやる」、「自分の人生は自分で決める」を徹底していたためか、本人は親に頼ることなくクールに入試に出かけました。親がいなくても、受験会場で先生方が待っていてくださったほうが心強かったのかもしれません。
スティーブ・ジョブズの言葉に「今日が人生最後の日だとしたら、今日やることは本当にやりたいことだろうか」とあります。
数か月先の合格を目指して勉強はコツコツやるけれど、我が家の場合は、一日一日一瞬も大切にすることを心掛けました。日々生活を受験勉強だけに囚われず、学校生活や友人との遊び、テニス、家庭での団らんの時間、趣味の読書、等々、やりたいことは我慢せず受験勉強と両立し、楽しく充実している時間を一日一日積み重ねました。
その結果、充実した受験生活を過ごし、第一志望校に加えチャレンジ校にも合格することで達成感を得られたようです。これから第一志望校で思いきり部活に励み、将来の夢実現に向けての一歩を踏み出します。受験への取り組み方は家庭によって様々だと思います。これから受験の皆様もそれぞれのご家族にとってベストなアプローチで、満開の笑顔で春を迎えられますように!












