五年生になる年の初め、中受をする…という思いを家族で共有しました。高校受験に縛られず、質の高い、実りのある勉強を六年間かけてじっくりさせ、進むべき進路を探したい、というのが親の気持ちでした。

 塾に行ったほうがいいと言う事は漠然とわかっていましたが、どこの塾に行ったら良いのか?さっぱり見当がつきませんでした。
 友人に「難関校を目指すなら名進研が良いよ」と教えてもらい、説明会に出席しました。
 うちの子は、強度の人見知りだし、根性も無く打たれ弱い性格です。学校とは比べ物にならない、このカリキュラムをやっていけるんだろうか?親として自信はないけど、現実を知らず変な自信のある娘は、ノーテンキに「頑張って塾に行く‼」と言うので、駄目元で思い切って入塾しました。
 学校では、宿題は10分で終わる、テストは百点が当たり前でしたが、それは殆どの生徒がそうであって、うちの子が特別良く出来るわけでないと感じていたので、不安がいっぱいのスタートでした。

 進学塾なんて、厳しくて、怖い先生がいるところというイメージでした。ところが娘は、毎日塾が楽しいと言うのです。確かに勉強は難しく、宿題は多量に出て、「出来ない〜」と大泣きする日々でしたが、塾の授業は楽しいらしく、迎えに行った時も開口一番「あぁ楽しかった‼これで宿題が無ければ最高なんだけどな」と言っておりました。
 勉強癖のついていない、遊び盛りの小学生を、上手く惹きつけるノウハウが有るんだと、名進研に入塾したことが間違っていなかったと感じました。
 五年生はJSスタートでしたが、春期講習で即JAへ落ちました。
 特に算数がついて行けず、宿題をやるだけで精一杯で、解き直しもしないし、極度の人見知りで先生やチューターに質問も出来ませんでした。先生からは、夏まで頑張ればペースがつかめるし、夏期講習で復習出来るから頑張ってと励まされました。
 二度ほどJAでしたが、だんだん慣れたのか六月からは、あっぷあっぷしながらもJSキープできるようになりました。

 そして待望の夏期講習‼お盆休み以外ほぼ埋まったスケジュールを見て、初め涙目でしたが、やらなければならないという少しの使命感と、頑張ったらご褒美の旅行をとちらつかされ、夏期講習に臨みました。が、蓋を開けてみれば、学校が無い分日々のスケジュールはゆったりしているし、講習は主に復習なので解らなかったことが出来るようになるという喜びと、先生の楽しい授業内容で、毎日笑顔で通えました。ただ、相変わらず算数は苦手で、口を酸っぱくして、解き直しと質問をと言っても、なかなか実行に移せず、算数で足を引っ張られる事が続きました。それでも何とか、大好きな国語と社会で押し上げて、偏差値55をキープできるようになりました。

 これだけ勉強をしないのだから、六年生になりプレ中学入試になると、多分成績が下がるだろうと予想していました。ところがどういう訳だか、プレ中学入試になり三回連続して、偏差値60を超えました。
 六年生になり、傍目に見ていても他の子は、やる気スイッチが入り目つきが変わって来たように見えていたのに、不思議でした。これは本当の実力で無い、きっとこれからは下がって行くのだろうと、ビクビクしていました。それだけ娘はマイペースで、歴史など自分の興味のある事は必要以上に深く勉強して、苦手な算数や理科の計算単元は後回しにしていました。

 そして魔の夏期講習‼
 五年生の時とは打って変わり、娘のテンションは下がっていました。それと言うのも、夏期講習がターミナル校で演習中心で行われるからです。テストゼミも受けていない、人見知りで、勉強嫌いな娘にとって、ターミナル校の夏期講習は恐ろしいだけのものでした。その前に学校でもトラブルがあり、全てにネガティヴになっている事も重なりました。
 まさかの登塾拒否‼朝になると行けないと泣き出し、無理矢理引っ張り、車に押し込んで塾に連れて行っても、車から降りることが出来ませんでした。もう、受験は諦めようか?と言ってもそれだけは嫌だと言いますが、夏期講習へは行けません。明日は絶対に行くからと言う日々が続き、図書館で自習させました。
 今、思い出しても胃が痛くなります。こんな状態で総仕上げテストは、散々な結果だろうと諦めていましたが、得意な国語と社会に救われて、偏差値59と健闘してくれました。まだ、諦めないでやれるかなと、少し安心しました。

 二学期に入り、不安定な精神状態は続きましたが、通っていた校舎に戻り、多少は落ち着きました。プレ中学入試に加え志望校別プレ入試などもあり、いよいよ受験本番という雰囲気になって来ました。成績は小さな波が有りましたが、大体偏差値55〜60という、可もなく不可もない状態でした。やらなければならないという事は解っていても、どうしてもやる気スイッチが入りません。先生方には、相談に乗っていただいたり、励ましていただいたりして感謝しております。
 お蔭様で、冬期講習は何とか無事に乗り切り、一月の受験シーズンを迎えることが出来ました。実はこの頃未だ、志望校が決められずにいました。私としては、この様に精神的に弱い子なので、ミッションスクールでゆったりと心穏やかに過ごして欲しいと考えていました。
 しかし娘は、五年生よりずっと、愛知淑徳中学校に行きたいと言っていました。本人の希望が一番大切だし、私も愛知淑徳中学校でと思うようになりました(最後までいろんな選択肢を模索しましたが…)。

 受験は、聖霊中学校、金城学院中学校、愛知淑徳中学校に合格し、南山中学校女子部不合格という結果でした。そして晴れて、念願の愛知淑徳中学校に入学する事になりました。
 思春期の不安定な時期と重なる、中学受験は難しいと実感しました。名進研の先生方のサポートが無ければ、この合格は無かったと思います。本当にありがとうございました。
 合格後、予想もしていなかった、入学式までの宿題を日々、自主的にやっております。少し成長したかな?と最近の娘を見て思います。