かけがえのない時間
娘は五年生の四月から入会でした。学校の宿題だけではもの足りなくなり、より高いレベルで勉強させたいと思うようになり、最初は中学受験を考えずにいくつかの塾を見学しました。そして、その中で何となく受験を意識し、母親の直感から娘には受験に立ち向かう素地がある、中高一貫で落ち着いた環境で学べる私立中学が向いているのではないか、と思うようになり、実績の高い名進研を選びました。
ただ、私も主人も名古屋圏出身ではないためこの辺りの私立中学については無知で、軽い気持ちで、うまくいかなくても地元の公立中に行けば良い。と今思えば浅はかな考えでスタートさせてしまいました。
五年生のうちはテストゼミは受けていませんでしたが、最初はついていくのでやっとで、娘は特に算数で苦労していました。それでも嫌がらずに通い自習室にも遅くまで残り、毎日必死で課題をこなす日々でした。娘は一か月に一回の実力テストに向けて励むというリズムで頑張っていました。JAとJSクラスをいったりきたりでしたので、ときどき頂く先生方からの電話に親はとても励まされました。ただ今思うと余裕のある五年のうちにもう少し親として基礎的な勉強面でサポートできれば良かった。と後悔があります。更に、親として気を付けていた自負はあったものの、もっと低学年からの長文の読書習慣や言葉の基礎知識、社会の時事問題や生活の中の理科的な知識を与えてあげていたら、と必要性を痛感しました。ある程度の土台は家庭で作れます。日常で少しでも意識して関わることで力になると思います。
六年生になりテストゼミの結果に一喜一憂し、プレ中学入試の偏差値が毎回重くのしかかってきました。秋になりやっとJS1に上がったのに、最後のプレ中学入試でJS2に落ちてしまい席も後ろに。誰よりも頑張っているはずなのにもう量質転化は来ないのか、どうして…親子ともに落ち込みました。このままでは、第一志望の滝中学校に届かないのではないか。不安に押しつぶされそうでした。
ただ、最終的にすべてを受け止めるのは親です。どんな結果でも子供を丸ごと受け止めてつぎの未来へつなげていく責任を強く感じ、前向きに気持ちを奮い立たせました。そして結果に絶対に後悔はしないという覚悟で、私自身もやるべきことをやろうと誓いました。
そこから、今まで以上に細かく、テストゼミ結果、ノート、プリント全てに目を通し、整理し、時事問題を新聞から切り抜き、予想を立て、国語の間違えた語句や漢字を単語帳にビックアップし、メモを作り、学校にも持たせ、家中に暗記用語を張り出し、会話の中で質問し、毎日学校から名進研へ直行できるように送迎と栄養バランスを考えた食事を作り、朝30分でも一緒に娘と漢字ドリル、国語のサーパスに取り組みました。主人が作成した、算数の苦手単元をアレンジした父プレなる問題集も登場しました。双子の妹たちは毎日名進研に弁当を届け、明るく励まし応援し続けました。家族一丸となって取り組みました。
そして迎えた滝中学校の受験日前日、最後の授業を終え、迎えた車の中でおし黙ったままの娘に声をかけると「もう先生たちの授業を受けられないのがさみしい、仲間と別れてしまうのがさみしい」と言って泣き出したのです。名進研に通っていて初めて見せた涙でした。思ってもみなかった娘の成長に私も涙が溢れて、中学受験にさせたのは間違いではなかったと、やっと心から思えた瞬間でした。そして名進研での勉強が娘のものの見方や想像力を豊かにしてくれたことが大きな喜びになりました。
頂いた合格。誰よりもひたむきにコツコツと努力し続けた娘を応援し、熱心に指導くださり、励まし続けてくださった校舎の先生方、本当にありがとうございました。












