長かった受験勉強を終え、お蔭様で第一志望校の滝中学校に合格することができました。普通の名進研生だった息子は、六年生のテストゼミはKS1からのスタートでしたし、練成クラスも一度だけJS1に上がったものの直ぐにJS2に逆戻りし、その後JA1と行き来するというような成績でした。
 そのような息子が合格できたのは幸運もあったと思いますが、決してまぐれではありません。こつこつと努力を続け、最後までベストを尽した結果だと実感しています。
 同じように悩みながらも志望校を目指し努力を続ける名進研生に、少しでも参考になればと本人の承諾のもと受験体験をお話ししたいと思います。

 息子の課題は集中力が続かないことでした。本人も自覚していたのですが、どうしても途中で途切れてしまいました。
 テストでも必ずと言っていいほど計算間違い、転記ミス、思い込み違い等のミスが発生しました。正答率90%程度の問題を簡単に間違えるのを見て何度頭を抱えたか分かりません。
 成績上位の子は圧倒的にミスが少ないです。ですから、志望校に合格するためは集中力の持続とミス防止という「五科目目」の克服がどうしても不可欠でした。ただこれには即効薬がありません。問題は指でなぞって読む、慎重に丁寧に解く、綺麗な文字を最後まで書く等を常に心がけ、地道に根気よく続けました。
 急には成果は現れませんでしたが、正月特訓教室を過ぎ自分なりに工夫ができるようになった頃、少しずつミスが減少してきたような気がします。

 さて、いよいよ受験が始まりました。しかし万全の気持ちで臨んだ名古屋中学校の結果は僅か一点差で不合格でした。
 思い当たる原因を聞いてみたところ、焦りや緊張などで集中力が続かず凡ミスを連発していたようです。それでも本人は合格を期待していたようで、気落ちする様子は見るに耐えませんでした。
 ところが、この一点差の不合格が息子の変わるきっかけとなったのです。
「今までの集中力では甘い、十分でない」と心の底から思い知らされたそうです。そして明らかに顔つきが変わっていくのが分かりました。

 一週間後、後のない状況で南山中学校男子部、滝中学校の入試を迎えました。
 今でも、南山中男子部の受験を終え校舎から出てきた息子の顔を忘れることができません。
「お父さん、最後まで集中したよ‼ 最後の一秒まで見直ししたよ‼ 試験の時間がすごく短く感じたよ‼ 集中してたから、いつもなら解けない問題が何問か解けたよ‼」と誇らしげでした。
 一回り成長した姿を目の当たりにして、試験の結果はどうであれ受験に挑戦して本当に良かったと心から思えました。そして翌日の滝中の入試でも集中力が途切れることはありませんでした。
 本人は「もし名古屋中に合格していたら、南山中男子部と滝中は、普段どおりに受験して不合格だったかも知れない。けれど名古屋中の不合格で、もっと深く集中することを学んだ。だから南山中男子部と滝中に合格できたと思う」と回想しています。

 息子は、四年生春から名進研にお世話になり三年間休まず通い続けました。成績が低迷し投げ出したいと弱音を吐いた時も、翌日には「やっぱり名進研行ってくる」と立ち止まりませんでした。
 また、六年生に入ると毎晩閉校時間まで自習室で勉強を続けていました。きっと神様が今までのひた向きな努力に対してご褒美を与えてくださったのだと思います。
 名進研生の皆さん、どうか志を高く保ち続けてください。そして最後には勝つと信じて諦めないでください。冬は必ず春になります。
 末筆になりますが、所属校の先生方には本当にお世話になりました。熱心なご指導やフォローでどれだけ息子が成長し勇気づけられたことでしょう。素晴らしい先生方に囲まれ、息子は幸せ者だったと思います。
 本当にありがとうございました。