今からちょうど三年前、娘を名進研に入れることを決めました。
 一番大きな理由は、よい仲間に恵まれながら充実した中学校・高校生活を送って欲しいという親の願いだったような気がします。

 しかし、中学受験を決めると同時に、とてつもない不安にも似た気持ちにさいなまれました。三年後に容赦なくやってくる受験日。
 この小さな娘は、そのたった一日で、三年間で学ぶことのすべてを出し切らなければならないのだというプレッシャーに、私自身が押しつぶされそうになったことを覚えています。どうやってそこをピークに持っていくのか。親としてできることは・・・。果てしない道を歩き始めたような感覚になりました。

 はじめて、所属校の先生と面談をした日。先生は親の心配を見通していたのでしょう。これから学ぶ三年間分の教科書を広げて、こんな言葉をかけてくださいました。
「これらの教科書の問題をすべて解けば、娘さんは絶対に第一志望に受かります」と。
 その言葉が今の私と娘を導いてくれたといっても過言ではありません。名進研の教科書すべての問題を解き、理解するという長い旅がそこから始まりました。

 入会してからの娘の成績は、はたからみると順調そのものでした。はじめのクラスこそJAスタートでしたが、すぐにJSに上がり、そのまま固定。小五のテストゼミではTN1、小六では俊秀から一度も落ちることなく頑張りました。
 このように書くと、順風満帆の塾生活のように思えますが、実態はまるでそうではありませんでした。特に、俊秀では、クラス平均が九割を越すこともザラで、自分なりに頑張ったという週でも黒星をとってくることもありました。そのため、一度もクラス落ちをしないことを目標にしていた娘は、睡眠時間を削って必死でくらいつくということを繰り返し、親も子も精神的に疲れ果てていきました。

 いよいよ迎えた小学校六年生の夏休み。
「ここが勝負の山場、天王山だよ」と言い聞かせ、起きている時間はほぼ勉強という毎日を過ごしていました。そして、愚痴もはかず黙々と勉強をする娘の気分転換になればと、お盆休みを使って二泊三日で旅行へ行こうと決めました。
 旅行前日、準備をしていると、
娘「ママ、勉強道具どうしよう?」
私「どうしようね?」
娘「……一応、持ってく。」
 そして、神様のいたずらでしょうか。運の悪いことに、旅行の真っ最中に台風が直撃。結局、ホテルに缶詰になり旅行先でも勉強をすることになるというオマケ付きでした。
 名進研からは、娘だけでなく親もたくさんの励ましをいただきました。特に、私のようにはじめての子どもに中学受験をさせる親にはこれ以上の施しはなかったのではないかと思います。

 六年生に入ると、受験問題の傾向だけでなく、受験当日までの過ごし方を事細かに説明していただけたことで、ずいぶん気持ちが楽になりました。それと同時に、名進研の難関校への合格者数の多さを改めて納得することができました。
 ただ、私の実体験として一つ言えることは、すべてを塾任せにして、親は何もしないというスタンスでは本当に頭のいい子以外は、なかなか良い結果が出ないのではないかと思います。
 私は時間があるときは、常に娘の成績や宿題をチェックして、つまずいている問題がないかを一緒に確認していました。そして、弱点を補うための単語カード作りや問題をやり直すためのコピー作りは徹底的に行いました。そのことで、苦手分野の成績の浮き沈みを最低限に抑えることができたと思います。
 そして、すべてを完璧にとはいきませんでしたが、娘なりに万全の体制を整え、無事に受験を終えることができました。

 結果、第一志望校の南山中学校女子部を含むすべての受験校から合格をいただくことができました。
 今、振り返ると月並みではありますが、中学受験は「継続は力なり」。この言葉に尽きると思います。
 地道にわからないことをつぶしていくことの積み重ねが一番です。そして、名進研を信じてテキストをやりきってください。努力せずに一発逆転はありません。

「今、私は幸せです。こんなに幸せな日が来るとは思わなかった。」
 娘が小学校卒業を前に私に言った言葉です。
 つらい時期を越えれば必ず報われる日が来ます。頑張ってください。