愛深ければ、為すこと多し
この春から、息子は第一志望校の東海中学校に通います。名進研に入ったのは、ちょうど三年前の今頃、三年生の三月でした。思えば、長い道のりでしたが、家族が一つになって過ごした濃い時間でもありました。
小学校一年生より、息子には通信教育をやらせていました。カラフルで楽しく勉強ができるその教材に慣れていた息子は、名進研の「小さい文字で、イラストもない難しいテキスト」に、当初かなりびっくりして、尻込みした様子でした。それまで、せっかく「勉強は楽しい!」と思っていたのに、これではいけない!と思い、親子の二人三脚(時には、夫も入れての三人四脚)での勉強がスタートしました。
クイズを出し合ったり、名進研のテキストの特製プリント(息子ができなかった問題のみを抜き出したプリント)を作ったり。息子が勉強をするダイニング・テーブルの横には、できる限り座って、わからない問題は一緒に考えるようにしました。
まさに、「親子の受験」のスタートでした。親子で一緒にやる以上は、楽しくやらせたいと思い、語呂合わせで覚えたり、繰り返しやらせて褒めたり、色々と工夫をしました。しかし、親の思うように、全てが上手くいくとは限りません。子どもは、名進研のテキストの問題が解けなくて癇癪を起こす、不安で泣いてしまう、やりたくなくてひっくり返るetc…色々とやってくれました。親子喧嘩も、数え切れないほどありました。しかし、私がいつもその都度息子に言った言葉は、
「大丈夫!」
「あなたは絶対大丈夫!」
「お母さんが一緒についてあげるから、心配ないよ。」
「怒っても、泣いても、名進研のテキストの問題が解けるわけではないから、お母さんと一緒にやるよ。大丈夫だよ。」
などという単純なものでした。でも、それを何度も言ってあげるだけで、子どもは落ち着いて、再び机に向かうことができたように思います。癇癪を起こす、泣くなどの行動は、全て「自分はもっとできるようになりたい!」という「子どもの心の叫び」だと思います。それを叱って「泣くな、怒るな」と言っても逆効果です。安心させて大丈夫だよと言って抱きしめるだけで、子どもは再び頑張れると思うのです。
しかし、本当に大変だった時期、一緒に机に向かって名進研のテキストの問題を解いたのも、泣いて暴れたのも、四、五年生まで(または、六年生初め頃まで)だったように思います。名進研でしっかり基礎学力をつけてからは、親の手をあっという間に離れ、自分で名進研のテキストの問題を解き、わからない時は自力で名進研のテキストの解説を読んだりすることで理解をし、一人で勉強するようになりました。時には、名進研の先生にお電話をして、解説をしていただいたことも、車で名進研に送って行って直接名進研の先生に質問したこともありました。しかし、もうその段階では、もう親の出る幕はなし…。子どもが自立したことを感じた瞬間でした。
中学入試の内容は、親が見ても難度が高いものです。小さな子どもが一人で越えるには、あまりに高い山だと思います。家で名進研の宿題をこなすことだけでも、子どもからすると不安に襲われることもあるはずです。そんな時に支えてあげられるのは、親だけだと思います。「名進研の宿題をやりなさい。」「この成績はなんなの!」そんな冷たい言葉は、子どもを深く傷つけ、不安にさせてしまうだけです。そばで、「大丈夫、お母さんが一緒についてるから。」と言ってあげてください。自分で勉強をするような、「自立した状態」に至るには、「自信と安心」が何より必要だと思います。
親自身もまた、「絶対、我が子は大丈夫!」と信じ、プラス思考でいることが大切です。私は、息子の名進研のテストの悪かった時の順位や偏差値は、全く覚えていませんでした(受験が全て終わってから、改めて四・五年生の時の名進研の成績を見たら、驚くほど悪かったのに、一切記憶にありませんでした!)。そして、良かった時のことだけを覚えていて、いつも息子に「あなたは、名進研で○位まで取ったことのある子だから、実力があるのよ。自信を持ちなさい。」と言い続けていました。悪い点を取っても、直しで理解が完璧にできたら、その問題の点数をテストの点に足して、「あなたの本当の点数は、○○点!ほら、これは○位の子と同じ点だよ!」と言いました。自信と「自分は大丈夫だ」という安心感を持たせたかったからです。傍から見たら、かなり能天気な母だと思います。でも、そのくらい楽天的な部分が、過酷な受験生活には必要かもしれません。
「愛深ければ、為すこと多し」です。お母さんの工夫と明るさで、中学入試を親子共に乗り切り、笑顔の春を迎えてください。名進研の日々の宿題一つでも、積み重なると、大きな力になります。果てしなく高い山に思えたり、壁に思えたりしても、名進研で毎日学習を続けていけば、必ず乗り越えられます。名進研の先生方と名進研のテキストを信じ、子どもと自分自身を信じましょう。そして、親子で歩む日々の道が、必ず目標とする山の頂上まで続いていることをイメージしてみてください。そう、名進研生のあなたは、大丈夫!絶対、大丈夫ですから。
追伸
お世話になった名進研の先生方に、心よりお礼申し上げます。息子は、学校の先生方よりも名進研の先生方を慕っておりました。そして、本当に名進研の授業が楽しいと言っておりました。「勉強は楽しい!」と思わせてくださったことは、何より親としては有難く、嬉しいことでした。繰り返しになりますが、本当に有難うございました。












