娘が受験をしたいと言ったのが小学四年の三学期でした。

 名進研に通いだし始めは勉強の難しさに驚きました。初めて受けた実力テストでは偏差値42。小学校では100点ばかり取ってくるのにこんな勉強があるんだと、ワクワクしたのを覚えています。それからは毎月のテストが親子の目標になり、私も仕事から帰ると一緒に勉強する毎日でした。我が家ではリビングにテキストを置き、ダイニングのテーブルで勉強していました。自分の部屋で勉強をする時期もありましたが、本人も集中できないらしく、多少雑音があってもリビングの方がやりやすかったようです。娘は朝に強いタイプで夜眠い時は寝る。朝は目覚ましをかけて起きると、十秒くらいでテキストを開いて勉強をはじめていました。

 五年生時は各教科単元ごとにコツコツと基本、練習、復習とテキストの問題を反復してやりました。この時期はまったく新しいことを覚えていくので、分かったつもりで分かっていない。覚えていてもすぐ頭から消えてしまう。私も心配でつい『こないだやったよ‼』『これ分かんないの』など言ってしまう事があり、喧嘩をしてしまうこともしばしば。毎日コツコツ頑張ることで偏差値は42→47→50と毎月伸びていき目標のJSクラスに入ることができました。しかし五年後半~六年前半はJSクラスのプレッシャーが娘を襲います。周りのみんなは簡単にできている(ように見える)。自分だけできない。そんな気持ちが強くなり、この時期はわかったふりモードに。

 『勉強はできないところを見つけるためにするんだ。』『できないところがみつかればラッキーだ。』『○○君だって簡単にできているように見えても、本当は不安でたくさん努力してるんだよ。』など。間違えた問題を発見しては『みつかって良かったね』と声掛けをするように心がけました。六年生になると授業の日数も増え、まだゴールも見えずイライラや不安がたまる時期でした。

 その不安が爆発したのは小六の第5回プレ中学入試。試験が終わりお迎えに行くといつもと変わらぬ様子。本人も『まあまあだった』というので気にしていなかったのですが、夜に解答がアップされ妻が確認するとあまり点数が良くない。私はハッとしました。タイミングを見て『今回のテストで点数悪くても大丈夫だよ。隠さなくていいから正直に言ってごらん』と言うと見たこともないくらい大泣きしていろんな感情を吐露してくれました。勉強、プレッシャー、友達に負けたかも、期待に応えられない、など。子供ながらいろいろな事を考え、たくさんの不安を抱えている事を伝えてくれました。結果が出る水曜日まで気分転換のため学校も塾も休み、何のため、誰のための受験か、頭と気持ちの整理。私自身の仕事での失敗談やスポーツ選手の挫折話など、失敗しない人はいない、上手くいく事ばかりじゃないという話をしました。

 結果が出ると全体の平均点は低く、ほぼいつもと変わらない偏差値で、『いつもどおりじゃん』と一緒に大笑い。JSクラスからJAクラスに落ちはしましたが、この経験が本人を大きく変えました。JAクラスで分ったふりをせず基本をしっかり身につけ、授業では先生に『さすがです』『すごいですね』と魔法の言葉をかけられていたようで、精神的に安定し勉強の質がグーンとあがりました。名進研の帰り道では、先生に褒められたことを嬉しそうに話してくれました。いままでコツコツ頑張ってきた芽がここにきて出てきたように思えました。

 最後の一か月は各中学の過去問を解く中で知識だけでなくテストの解き方も上手になっていきました。正月特訓は大変なので行かなくてもいいかなと思っていましたが、本人から『もし落ちても、行っておけば良かったと後悔したくないから行きたい』とはっきり意思表示があり、こんなに頼もしくなったものかと感心しました。

 自信を持って名古屋女子大学中学校、金城学院中学校、愛知淑徳中学校を受験しました。本人からは多少の緊張は感じましたが、『やれるだけのことはやった。どんな結果でもこの二年間の経験、成長が変わるわけじゃない‼自信を持って行ってこい‼』と送り出しました。

 受験に向かうたくさんの子供たちを見て「勉強ってかっこいいな」と心から思いました。我が子は受験した三校全て合格をいただく事ができました。受験を通じ結果以上の経験ができました。

 名進研の先生方には本当にお世話になりました。先生方はプロフェッショナルです。勉強はもちろん子供たちの性格、不安に思う気持ち、甘え、いろんな事を感じ取り子供に合った指導をしていただきました。我が子は時には競争心を刺激され、時には『さすがですね』と魔法の言葉をかけられ、まんまと先生方の作戦にハマリ、見事合格を勝ち取ったと思っております。本当にありがとうございました。