娘は小学一年生の頃から、中学は受験をして私立に行きたいと言いました。仲良しの友達が私立小学校受験に奮闘する姿をすぐそばで見てきたので、自信と憧れがあったのでしょう。しかし我が家は公立志向。環境は自分で作るもの、という考えのもとで教育していくのが理想でした。娘の意志を尊重して塾通いを認めたものの、本音のところは一度体験させておけば、将来文句を言われないで済むから、という思いがありました。

 三年生の夏に自力で通える名進研に行くことになりました。帰ってくるなり、「すごく楽しかった。名進研がいい。」と興奮気味に言いました。いろいろな塾を体験して決めた方がいい、と言ったのですが、絶対に名進研がいいと譲りませんでした。その訳が先生方にお会いしてよくわかりました。娘の良いところをきめ細やかに見ていてくださり、それを言葉で娘や親に伝えてくださるのです。小学校の先生からも言われたことのないような長所を教えて下さいました。成績だけで評価するのではなく、娘をちゃんと人として認めて受け入れてくださる、ということに安心し、名進研で四年生からお世話になることになりました。

 成績でクラスや席が決まることに親としては心配がありましたが、子どもは逞しいものですね。良い時もあれば、悪い時もある。それを自分で受け入れて、常に前を向いて頑張っていました。成績上位者に友達の名前が載ると、ペンで印をつけて私に見せて、すごいと称え、自分も次は名前が載るように頑張る、と意気込む姿がありました。感心しました。

 しかし、五年生になると中だるみしたのか、夜、布団の中に隠れてiPadで動画を見たり、学校の宿題がおろそかになったり、生活が乱れるようになりました。私は受験をやめるように強く説得しました。そんな時、いつも先生方は娘の気持ちを第一に考えてくださり、話をして娘の本心を聞いてくださいました。やっぱり受験を続けさせてほしい、と娘が親を説得してきたのです。頼もしい姿でした。先生が娘の思いに寄り添ってくださったお蔭です。この時、先生からは、「娘さんは公立志向の親の気持ちをよく分かっているので、受験をやめたら親が喜ぶと理解し、親の気持ちに忖度している」と教えていただき、ハッとしました。いつでもやめてもいいと伝えてきたことは、子どもにプレッシャーを与えないいい親だと思っていたことを反省しました。娘が欲しかったのはそんなものではなく、私立合格を共に心から願って応援してくれる親の気持ちだったはずです。「やめていいよ。」なんて安易に言わないとその時からようやく、決意しました。

 先生が娘の力を信じてくださることで、娘は最後まで合格を信じ、最難関の南山中学校女子部をめざして頑張ることができました。名進研一本で本当によく頑張り通したと思います。テキストや問題は本当にいいものを研究されていると思います。名進研のテキストだけをしっかりできれば大丈夫だと思います。

 結果は南山中学校女子部には届きませんでしたが、第二希望の愛知淑徳中学校に合格をいただけました。こんなに一生懸命に頑張ったのだから、この学校が一番娘にとって良い学校だと導いてくださったのだと、ありがたく通わせていただきます。

 先生方、本当にありがとうございました。個別懇談のたびに、「本当にいい子です。」というお言葉をいただけたこと、一人の人間として大切に関わっていただけたこと、心から感謝いたします。私たち親がたくさん学ばせていただき、とてもいい受験ができました。娘の妹が、「私も名進研で受験したい。」と言いました。私自身、また受験生活が始まることに負の気持ちはなく、今度は、最初からちゃんと応援してあげたい、一緒に学び頑張りたいと明るい気持ちでおります。大好きな名進研、先生に出会えたこと、改めて感謝いたします。